ミーティングルームの隣にある、この小さな建物は一体何だ?と覗いて見ると・・・・
何と、歯医者の治療器具が!実はここ、近所の歯医者さんが毎週日曜日の午後に2時間だけ修行者の歯の治療に来てくれる歯科医務室だったのだ。ボランティアだから勿論無料。また、オフィスの医務室にも不定期ながら医師がボランティアで診察に来てくれる。
薬だって、みんな沢山寄付してくれるので、風邪や下痢、便秘なんて問題ない。そんな感じで、修行者は身体の方も心配なく修行に打ち込める。何という待遇か!まさに修行者にとって瞑想センターは夢のような所。
10時半からは、また食事のための列を作る。食事は朝と昼の2回だけ。修行者は、ここにいる間は仏教の八戒に従って、12時以降は一切食事を摂ってはならない。
食事はゆっくりとマインドフルに。修行の中で何が一番楽しいかと言ったら、やっぱりこの食べる瞑想に決まってる。
お祝いの日には、アイスクリームやカステラが付く。この日は何のお祝いかと言うと、セント・バレンタインデー。何で?仏教なのに・・・・・
食べた後は自分で食器を洗う。これもマインドフルに。
食後、みんなが面白がって餌をやるので、太り過ぎて動けなくなり、いつも寝てばかりいる犬。この「デブ犬」は、修行者たちのマスコット的存在だ。
敷地内にはマンゴー林があり、6月・7月の熟れ時には、ここで採れたマンゴーが食卓に上る。
食事が終わったら、また修行。坐って、歩いて、坐って、歩いてを只ひたすら繰り返す。
瞑想用の座具にも色々あって、瞑想センターに備え付けの物から、
欧米人の間で流行っている、空気注入式というのもある。
あるいは、椅子に腰かけてやってもいい。
この、修行者達が入っている半透明のスクリーン状の物は何だ?というとこれは蚊帳だ。近所が野原でヤブ蚊が多いため、ウザいのを防ぐだけでなく、デング熱やマラリアの予防のためにも修行者は蚊帳に入って瞑想するのだ。
椅子に腰かけて瞑想したり、立つ瞑想をしたりする場合には、ロングサイズの蚊帳を使う。
熟練した座りぶりを見せるのは、イスラエル人修行者。
暑くて扇風機の真下で瞑想するのは、アメリカ人修行者。
4時からは、ジュースを飲んで少し休憩。このジュースもまた、人々の寄付によるものだ。
ジュースを飲んだらまた修行。この頃にはだんだん陽も傾いて来る。
夜になっても、それは続く。
暗い方が、心が内側に向かいやすいというもの。
修行は9時ちょっと前に終わり、それから2〜3分読経する。
今日の修行が終わって、瞑想ホールから出て来る人々。みんな緊張から解放されてホッとしている。
やっと部屋に戻って休めるからと、気を抜いてはいけない。眠りにおちる寸前まで、マインドフルに過ごさなければならない。そして、ここにいる間は、毎日このような生活がずっと続けられる。
自分で決めてきた期間の修行を終えた修行者が帰る時は、一緒に過ごした仲間達がそれを見送る、名残惜しいひと時でもある。たとえ短期間でも一緒に修行した仲間は、気心の知れた親友にように感じられるからだ。ここにいるのはマレーシア人、中国人、香港系カナダ人、インドネシア人、それにアメリカ人だが、誰が何処の人なのか見分けがつくだろうか?
正解は左から、インドネシア人、マレーシア人、中国人、アメリカ人、カナダ人になる。みんな同じような顔と服装だから、ここにいる間は、誰がどこの国の人やらサッパリわからない。そして、またここで2週間の修行を終えて帰国する事になった、某国の修行者がいた。
そんな彼のTシャツには何と・・・・
「イルミナティだ」そう言って彼は去って行った。ここで行われているマインドフルネス瞑想は、アメリカでは大人気で、グーグルなどの企業も社員にやらせている事は知っていたが、イルミナティまでメンバーにやらせていたのか?それは定かではない。
そんな感じで、簡単にではあったが、シュエウーミン瞑想センターの様子をレポートしてみた。興味のある人は一度ミャンマーを訪れてみて頂きたい。外国人は一年のうち、7月始めから10月いっぱいまでの間と、12月始めから2月いっぱいまでの間に、最長3か月まで滞在出来る。ただし、2020年の暮れから2021年の始めの冬休み期間だけは、諸事情により外国人は滞在出来ない事になっている。2021年夏場よりリニューアルされたシュエウーミンをお楽しみに。
ウ・テジャニヤ長老の新刊、「ゴールド・ダスト」も、いずれ日本語訳される予定!